皆さんこんにちは。先回は病気の原因を東洋医学ではどのように見ているかをお話しいたしました。今回は病気によって出てくる症状をどのように捉えて治療に結びつけているかということをお話しさせていただきます。さあ、19枚目の扉を開けてみてください。
東洋医学では、病名によってその治療が行なわれるのではなく、特定の病症をもつ患者の症候群を1間的に処理して証(あかし※1)を立て、その主証によって治療を進めていきます。これを随証療法と呼んでいます。(※1:証を西洋医学的な表現で解りやすくいうと治療方針のこと)
全ての病変を経絡の変動とし、その虚実となすこの医学では、患者の体に現れている多彩な症候群を全て経絡というカテゴリーによって弁別しさらにこれを陰陽虚実にわけて診断しています。
その結果、得られたものが証であり、目的とする治療法の内容を持った疾病の本体と考えて治療が行なわれています。
簡単にいえば、この証さえ立てられれば、どんな病名でもどんな症状でも、鍼灸は行なうことができ、一定の効果は上げられるということです。ですから、「まるまる病ですが鍼は効きますか?」とか尋ねられますが、聞いたこともないような難病であっても鍼灸の治療は出来るということになります。
この陰陽虚実を組み合わせますと次のようになります。
生来丈夫な人が冷えなどによって神経痛を起こして、それがなかなか治らなかったり、食あたりなどをして腹を壊しているようなときにはこれに当てはまるかもしれません。
癌患者の亡くなる数日前とか、長期にわたり寝たきりになっているような人はこれに当てはまるかもしれません。
これは、案外多くの患者さんに見られ、喘息の人、鬱病、統合失調症、アトピー性皮膚炎などの人もこれに当てはまるかもしれません。
これには血友病の患者さんや白血病、悪性不良性貧血のような患者さんが当てはまるのかもしれません。
以上が病症論から見た陰陽虚実を組み合わせての体質の証ということになりますが、このようにはっきりと大別されるものではなく、我々鍼灸師にとってもこのように診断出来、治療に結びつけられるケースはあまりありませんので、自分はまるまる証などと考えないでくださいね。
病症論は長いので今回はこの辺でお話を終わらせていただきます。