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乳汁分泌障害の治療

出産後お乳が出ない悩みをはり灸で改善

乳汁分泌障害の症例をご紹介いたします。文字背景にピンク色がある用語は、本文末尾に簡単な用語説明を記載いたしておりますので必要に応じてご覧ください。


1例:再診 患者 女性 31歳 主婦

来院時の状態:
肩こりと乳汁分泌障害。この患者さんは数年前に当院で腰痛治療を行なったことがあります。
1ヶ月ほど前に女児を出産後、思うようにお乳が出なくて乳房が張っているとのことでした。
脈は浮いていてやや遅く弱い。腹は小さ腹が弱い。足の冷え。脊柱の側湾有り
治療方針(証)
証は腎/脾相剋調整という治療方針で右復溜/尺沢/左陰陵泉に補法。胃経/胆経に瀉法。腹/首周り背中鎖骨下部に刺鍼後、左右谷/合谷にきけい灸。足裏に温かみを感じたら取り去る灸。
五日後来院し、証を脾/肝相剋調整に変え、右太白/大陵/左曲泉に補法。後は前回と同様の治療を行ないました。

3回目に来院したときに少しずつ乳汁が出るようになってきたとのことでした。婚家に戻るため治療を終了といたしました。

2年後、2子を出産後再び来院され、同じく乳汁分泌障害で治療を行ないました。

証は腎/脾相剋調整で3回行ないました。このときは右公孫/左内関のきけい灸を加えました。3回目には乳汁の分泌がありましたので、治療を終了といたしました。


用語説明:

証(あかし)
東洋鍼灸治療では、治療を進めるにあたり、証(あかし)を決定します。証とは、体のどのつぼに鍼やお灸をするのかを決定する、治療方針のことです。
きけい治療(灸)
経絡治療の中の一つの治療方法で手と足からそれぞれ一つずつ、つぼを選んで組み合わせ、鍼の材質や灸の数に差をつけることによって、プラスとマイナスの働きを利用したもので、水の流れにたとえると、充満した水を溢れさせないために、排水路に流してあげる目的で行なわれる治療法です。

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