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新潟市の泉心道鍼院よりメッセージ

  腰椎すべり症 アレルギー性皮膚炎 鍼をしたけど悪化してしまった!2009年10月の症例

2013年12月21日

  腰椎すべり症 アレルギー性皮膚炎 鍼をしたけど悪化してしまった!2009年10月の症例

腰椎すべり症で、腰痛がだんだんひどく、左足首も痛くて回せない、全身のかゆみなどの症状があってこられた34歳の女性です。
事務職で、遠方より通勤しているとのことで、帰宅も1時間以上運転して帰るとのことでした。そのほかの症状として、日光や金属のアレルギーがあり、目の痛み、手足が冷える、頭が重い、足裏が痛む、月経血が少ない、尿量が多いなどの症状がありました。
来院されたときは、かなり痛くて寝返りがつらく、左足首も少し熱感がありました。腹診では、上腹部が冷たくつやなし、脉は、
沈んでいて、遅く、弱い。
右ナソ部にキョロ所見、左腰部の筋緊張がありました。
ひふは全体的にざらつき、つめたくつやがありませんでした。
治療は肺虚肝実証で行い、申脈・後谿に奇経灸を行いました。2回目に来られた時に治療後すごく眠くなり、腕のほうもかゆくなるなどの症状がありました。
痒みを抑える目的で風門穴に温灸を加えました。
3回目に来られた時は、今日、くしゃみをしたら腰がだんだん痛くなってきたとのことでした。右申脈・後谿に奇経灸の適応側を換えて行いました。
次の予約のキャンセルで治療終了となりました。
感想としては、証があっていないことと、鍼数が多くてかえって悪化させてしまったと思われます。「くしゃみをしたらだんだん腰痛が出てきた」というのは、ぎっくり腰になるとそのような症状がよく見られますが、腰痛がはりをしてかえって悪化させてしまい、急性腰痛のような症状が引き起こったものと考えられます。
我々が皆さんに紹介する症例は、治った物、楽になったものがほとんどで、鍼治療の良さをわかっていただきたくて紹介しています。
しかし、治療は、100発100中というわけにはいきません。
当然、我々の技術の問題もありますが、その人が治療を受ける段階で、どのような状態になっているかで、結果は大きく異なり、通い方によって、治るかどうかが違ってきます。
薬を飲む、鍼をする、マッサージや整体を受けるなどなど、選択肢はたくさんありますが、どのような治療をするにしても、続けないと良い結果は得られません。
本院ばかりでなく、病因に行っても治らなかった、整骨院に行っても治らなかった、鍼灸院に行っても治らなかったと言っている人がたくさんいられますが、
よく聴いていると2から3回程度しか、同じ治療を繰り返していないようです。
それで、治らないのは今の患者さんのような急性のものは別として、ほとんどのばあいは当然です。
今回はあえて自分が増悪させてしまった症例をご紹介させていただきましたが、その理由は、1回1回治療をした後によくなるものではないということを、認識していただき、改めてもらいたいと思っています。
1回や3回程度で、治療をやめてしまったり、治療を換えてしまう人は、治療方法の問題ではなく、自分が起こしている病気や症状を安易に考えすぎていると思います。
薬であれば、最低でも1か月は飲み続け、鍼や整体、マッサージであれば、最低10回から15回は、継続したうえで、治療院を換えるとか、治療法を変えるなどしてもらいたいと思います。

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気の調整で小児ぜんそく 痒み 改善へ 2009年6月の症例

2013年11月23日

アレルギーと小児ぜんそく
小学1年生の女の子、2009年6月に来られた患者さんです。
生まれつき、食物アレルギーがあって、卵や牛乳を取ると、湿疹ができてかゆくなる。笑ったり、興奮した時に喘息の発作を起こす。しかし、最近はあまり強い発作が出ていないので、薬はこの1か月間止めている。
身長は106センチ体重は15キロとやや痩せ型で、皮膚はあまり湿疹がなくきれいであったが、手足に汗をかいていて、話をするときに息がうまく吐き切れていないような感じであった。
腹診では、肺の診どころつやなく、脉診では、浮いていて、遅く、弱い。
経絡治療においては、吸気時は、肝・腎の作用、呼気時は肺・心の作用であるとしている。
このようなことを参考にして、笑ったときや興奮した時などに喘息の発作が出るような人は、肺や心の経絡の変動が大きいばあいがあると思われた。
治療は肺虚肝実証で行い、背中に?鍼、円鍼を行って、大椎穴と神童穴に銀粒を添付して終わりとした。
けいかとしては、近くの人であったので、もっと感覚を開けないで来院してもらいたかったのだが、お母さんの理解があまりえられないのか、2週間に一度の割合での治療となった。
6回目まで同じような治療で、7回目から肺・肝相剋調整で行い、つぼも少し変えて行った。
10月ごろにはほとんど喘息が無くなってきた。時々喉が痛くなったり、熱を出すことがあったが、強い喘息の発作はあまり起きなくなった。食物アレルギーのほうもお母さんが気を付けていることもあるが、卵や牛乳をとっても、湿疹などはほとんどでなくなっていた。
感相としては、最終的には19回(翌年の2月まで)治療したのだが、発作の回数や強さが少なくなったことは、良いことであったと思う。しかし、感覚が空いているので、
前回の治療と今回の治療の間で、変化が少なく、悪くならないがよくもならないというような感じではなかっただろうか?
都合があって2週間に一度の来院でも致し方ないが、そのようなことであれば、なおさらもう半年は続けてみてもらってそれであまり発作が出ないということであったときに治療を終わりとしてもらえたらよかったと思いました。

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