「強迫症および関連症群(OCRD)」について、東洋はり医学的考察
今回は、強迫症および関連症群について、少し考えてみましょう!
共通して**「どうしても頭を離れない考え(強迫観念)」**や**「繰り返さずには
いられない行動(強迫行為)」**を特徴とする疾患をまとめたカテゴリーです。
かつて強迫症は「不安症」の一部とされていましたが、研究が進むにつれて独自の
メカニズムがあることがわかり、現在の診断基準(DSM-5やDSM-5-TR)では独立した
グループとして扱われています。
### ?? このグループに含まれる主な疾患
| 疾患名 | 主な特徴 ?? |
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| **強迫症(OCD)** | 不安を打ち消すために、手洗いや確認などを何度も繰り返す。 |
| **醜形恐怖症** | 自分の外見に欠点があると思い込み、鏡での確認や化粧に過度に
没頭する。 |
| **ためこみ症** | 物を捨てることに強い苦痛を感じ、生活空間が物で埋まって
しまう。 |
| **抜毛症** | 自分の毛を繰り返し引き抜いてしまい、やめようとしても
やめられない。 |
| **皮膚むしり症** | 自分の皮膚を繰り返しむしり、傷を作ってしまう。 |
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上に掲げたもののうち、強迫症、醜形恐怖症、ためこみ症は、そこまでいかなくても、
どなたにも持っている要素ではないでしょうか?皆さんも心当たりはないですか?
抜け毛症、皮膚毟り症となると、自傷行動ですね!
当院では、そのような症状を呈している患者さんの来院はありませんが、子供さんで、
自傷行動がある人を、鍼治療したことはあります。
### ?? 共通する2つのキーワード
これらの疾患には、共通して以下の2つの要素が見られます。
1. **強迫観念(Obsessions)**:
自分の意思に反して繰り返し浮かんでくる、不快で不安な思考やイメージです
(例:「手が汚れているかも」「鍵を閉め忘れたかも」)。
これは、心当たりがある人も多いのではないでしょうか?潔癖症の人は、人の使った
ものには、一切触れることができない、他人を自分の家に上げられない、上がって
もらうとしても、その人の手足を消毒してからでないと、、!
2. **強迫行為(Compulsions)**:
強迫観念による不安を和らげるために、「やらなければならない」と感じて行う
繰り返しの行動や頭の中の儀式です(例:過剰な手洗い、何度も鍵を確認する)。
これも、少なからずありますよね!何度も何度もカギをかけたか、戸締りは大丈夫か!と確認を繰り返す。それをしないと外出することができない!、外出先で途中で気になってしまい、家に戻って再度確認するなどなど。
これらが**1日に1時間以上**など多くの時間を奪い、日常生活に支障をきたしている
場合に診断の対象となります。
診断されるまでとはいかなくとも、「結構あるある」の話ではないでしょうか?
東洋鍼医学的考察としては、まず、強迫観念をどう考えるかということですが、
思い、考は脾臓に大きな影響を与えるということで、土の作用が最も関係しますね!この土(土台)である、体の基盤が、大きくゆすぶられて他の臓や、経絡に影響を
与え始めます。行動を繰り返さないと居られないというのは、行動全般をつかさどる
肝(木)に大きく影響を及ぼしたという結果とも考察できますね!
精神活動そのものは、腎(水)のつかさどるところという観点からみれば、過度に
高ぶっていくと、腎を破り、不安、恐怖に陥っていくことが予想されます。
臨床においては、このような症状をすでに訴えている人が来院した際、どの様な状況下を把握することが大切であると思います。
鍼療法を行うにあたり、主訴の改善は最も重要なところであると思いますが、身体の不調ばかりにとらわれていると、根本的な治療アプローチが誤ることにもなりかねません!
精神活動の不調和とみて、腎。
思いすぎ、思い過ごし、意志薄弱などと捉えて、脾。
過剰な行動ととらえて、肝。
いずれも誤りではないと思いますが、その患者さんにとって、何が原因になって
いるのか、根本的に、アプローチしなければいけないもの(経絡)は、何かを見極める
ことが、難しいですが、大切になります。
本証は、机上では、特定することは難しいと思いますが、表治法
(その他のアプローチ)としてみたならば、好転の元気をつかさどる三焦経、もしくは、心包経の調整が、重要と思われます。陽池、外関、大陵、内関の反応を観察すること。
それにプラスして、胃経の調整(足三里や豊隆、梁丘など)を用いて行う。
私は、手と足を組み合わせて行っていますが、陽経の調整は、とても大切であると思っています。
しかし、注意しなければならないことは、行動をコントロールさせる目的で、肝経の調整を、誤ると、かえって病状を悪化させたり、鬱状態に陥らせたりということにもつながりかねませんので、気を付けていきたいものです。
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