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経絡治療の気血のお話1

経絡治療(けいらくちりょう)の定義

こんにちは。先回は経絡治療の定義ということでその解説を簡単にご紹介しました。

今回はその経絡に流れている気血のお話をさせていただきます。さあ。6枚目の扉を開けてみてください。

皆さんは気と言う言葉を聴いたことがありますか?よく気功などで、手を悪いところにかざしてなんだか温かみを感じるとか、急に体が楽になったようだなどと、テレビでやっていますね。

その「気]のことです。手をかざしてそこから出ている「気」が患者さんの体に伝わってそのような感覚を与えるものです。

それとは別に、太極拳とか、少林寺拳法とか合気道など、気を動かすことでおこなわれる運動があります。

気ってなあに?

気は我々全ての人体がもともと持っている生命力(生き抜く力)で、特別な人だけが有するものではありません。

気」は元気/空気/気分が悪いなど、日常生活でもなにげなく使われている言葉です。

気はその働きを知ることは出来ますが、形を捕らえることは出来ません。

お相撲などで力士がしきりをして互いに睨み合い、闘志を高めていきますね。そのときに発散されているものが「気」なのです。

又、山登りなどをして山頂に立ったとき、いつもは感じていない空気がとても美味しく感じることや森の中で心が洗われるというか、ほっとするような開放感を覚えることがあるかと思いますが、それが「気」の存在なのです。

体と気の関係を考えてみますと、気は物事を考えることや「お腹がすいたので食事を取ろう」と思うこと、心臓を動かすこと、排泄をすることなど、自らの意思とは関わらずに感じられるような全ての感覚は「気」の働きによるものです。

経絡治療では、「気は経脈の外を血に従って運行し、その働きを守るものである」としています。

これは、呼吸をすることや心臓、肝臓、胃、腸など動かす力で、自分の意思で動かしたり止めたりすることは出来ない自立神経に関係する働きを司っていると考えてください。

また外を流れているということですので、皮膚表面に多く存在し、ウイルスや病原菌、風、暑さ、寒さなど、外的から体を守っているのです。したがって、気は体を温める働きがあると考えています。

「血」ってなあに?

この「気」に対して、中に存在するものや形として認識できるものを「血」と考えています。

つまり、目で見えるもの、触って分かるものは全て「血」ということになります。

我々の体そのものはこの血の塊であります。

先ほどの「気」とは逆に立ち上がるとか、手足を動かすとか、食事を作って食べ始めるとか、全ての行動はこの血による働きです。

経絡治療では、「体液/血液など形をなして流動し、経脈の中を行くものである」としています。

血は経脈の中を流動するとありますので、血液はもちろんのこと、汗、おしっこ、便、つば、筋肉、骨、爪、髪の毛など、全て血ということになります。

変形性膝関節症と言われて膝が痛い人、腰椎椎間板ヘルニアと言われて腰痛がある人、この変形した膝や椎間板ヘルニアそのものは形に変化があるということで、血の変動として考えられます。

体液、血液なども血の変動であるということから、血は体に潤いを与えるものと考えているのです。

今回は長くなりましたので、この辺で終わりとさせていただき、この続きは次回にお話しさせていただきます。