はり灸治療とスポーツ障害
1例:9歳の男の子
右膝の痛みでこられました。バスケットをしているが2月に入ってから痛み出し痛みが取れない。内側に熱感。頻尿。落ち着きがない状態でした。
右膝内側に腫脹と熱感。皮膚は滑らか。手に汗をかいている。緊張しやすい。トイレに行った後又行きたくなる。じっとしていられないなどでした。運動障害による右膝関節症/頻尿/中位他動性症候群と診断しました。
治療は、小児鍼の後、右膝の膨れているところに温灸を行いました。3回目で右ひざの膨れ、痛みはなくなり、以後は、注意多動性症候群の治療を行いました。
2例:高校3年生の女の子
左下腿内側のシンスプリントで来られました。
バトミントンをやっているが、3月末ごろより左下腿が痛み出し、現在は歩くのも痛みがある。右肩の痛みとのことでした。
体の状態と症状としては、皮膚は滑らか。足が冷たい。 左下腿内側のシンスプリントと診断しました。
治療は、患部に散鍼、温灸、肩関節に温灸を行いました。3回目から徐々に練習を再開し、ランニングも出来るようになりました。6回で、普段通り練習が出来ていましたので、完治としました。
3例:高校3年生の男の子
1週間ほど前に右足外側の痛みが出て、尻が痛くなり、整体を受けた。五日くらいに右足外側に痛みが出てつくのも出来なくなるとのことでした。
体の状態と症状としては、腰椎下部にキョロ所見がありました。運動障害による右坐骨神経痛と診断しました。
治療は、腰、尻を中心に行い、お灸を行いました。経過はとてもよく、初めは、松葉づえをついての来院でしたが、3回目から、つえなしでも歩けるようになり、痛みも取れましたので、5回で完治としました。
4例:40歳の男性
マラソンをしているが、5月ごろより腿の後ろ側に張る感じで6月ごろより走るのが困難となるとのことでした。
体の状態と症状としては下部腰椎の変形。左尻にこうけつ圧痛。皮膚は温かい。 運動障害による左坐骨神経痛と診断しました。
座っていても腰痛や左尻に痛みがあるとのことで、治療は、左尻を中心に、左申脈・後谿の奇経灸で行いました。6回目で、座っていても痛みが無くなり始め、マラソン大会に出ても無事完走できるようになりました。以後は、耳の聴こえが悪く、耳管開放症の治療で通院を続け、完治しました。
5例:27歳の女性
9月末に走っていて右腿の内側を痛める。走っているときや直後は痛みが出る。足のむくみと冷えとのことでした。
体の状態と症状は、走っていると腿の付根から内側に痛みがある。喉が渇く口が渇く。足のむくみと冷え。 運動障害による右足の痛みと診断しました。
治療としては、右腿の付け根前側の痛みで、ムノ部に鍼やお灸を行いました。蠡溝、陽陵泉を多く用いました。4回目で走り始めましたが、その時の大会は8キロくらいで棄権したそうです。8回目の段階で、走っても普段であっても痛みがなくなりましたので、完治としました。
以後、足の浮腫み、眠れない、生理痛の治療を続けられ、31回1年通院されました。
6例:中学2年生の女の子
ハードルをやっていて、以前から腿の内側が痛く治療を受けている。普通の動作では痛くない。右腿内側の痛みをもっとも強く訴えてこられました。
体の状態と症状としては、右足首、脛骨内側の痛み、腿付け根の痛み手の汗などがありました。スポーツ障害による右腿内転筋の痛みと診断しました。
治療としては、ムノ部を中心に、温灸、太衝、通里に奇経灸を行いました。最初は練習後痛くなるとのことでしたが、5回目で、走っている最中であっても、練習後でも痛くならないとのことで、完治としました。
7例:中学3年生の女の子
8月10日より左腰をひねると痛みがある。(ゴルフのスイングで痛む)とのことで来られました。
体の状態と症状としては、皮膚はなめらか、手の汗左腰筋肉の緊張 左腰から尻の痛みがありました。スポーツ障害による腰痛症と診断しました。
治療は、最初の2回は、申脈・後谿に奇経灸を行い、3回目、4回目と証を換え、臨泣・外関に奇経灸を行った結果、腰痛は改善されました。