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夜泣き・かんむしの症例

はり灸で赤ちゃんの夜泣き・かんむしを改善

赤ちゃんの夜泣き・かんむしの症例をご紹介いたします。文字背景にピンク色がある用語は、本文末尾に簡単な用語説明を記載いたしておりますので必要に応じてご覧ください。


1例:患者 男児 1年3ヶ月

来院時の状態:
頭を後にぶつける。双子であり、気に入らないことがあると、後ろに倒れ、頭を打ち付ける。昼寝は2回、夜泣きは日常茶飯事。身長77センチ体重9キログラムやや細身。
治療方針(証)
「証」は感情を調整する目的の治療方針(肝虚証)とし、足の親指からすねの内側にかけて小児鍼という、へら型のなでる鍼を使ってなでた後、背中を上から下へ向かって同じく小児鍼を行い、同時に左手でゆっくりとなでる。最後に左の背中と右の背中の対角線上に温かみを感じたら取り去る灸を行ないました。

1週間に1回の治療で、4回目で後に頭をぶつける症状が治まり、2ヶ月目からは月2回の治療で咳や鼻水、風邪の時の発熱など、その都度治療を行い、9月ごろには夜泣きや疳の虫は治まりました。

その後、症状が出るごとに治療を行い、現在もはりを続け、元気に小学校に通っています。


2例:1例目の双子の兄 男児 1年5ヶ月

兄は弟と比べ、比較的に落着いていたものの、突発性発疹が出来てから、ぐずり始め、発疹の治療とともに疳の虫の治療を希望されて来院されました。

来院時の状態:
奇声を発する。2ヶ月前にてんかんの疑いがあると診断され、経過観察をすることになりました。

治療は、てい鍼、円鍼という、刺さないはりを用いて背中に治療を行い、天気の良い日には、外に出て時々日光にあたるようにアドバイスをして帰宅してもらいました。

月に2回ほどの治療であったが、1年もたたないうちに疳の虫は治まりました。現在は、弟とともに、はり治療を続け、元気に小学校に通っています。


3例:男児 7ヶ月

来院時の状態:
夜泣き、2から3ヶ月ほど前から夜泣きがひどくなり、1時間おきに目覚めて泣き止まない。眉間に縦じわ、左頬に青色が強い。
治療方針(証):
証は感情を調整する目的の治療方針(肝虚証)で、足の親指からすねの内側にかけて円鍼でなで、背中の弱い箇所に、てい鍼を当て、円鍼で上から下にかけてなでた後、左の背中と右の背中の対角線上に温かみを感じたら取り去る灸を行ないました。

初めの1週間は毎日治療を行い、2週間目から1日おき、途中患者さんの都合で1ヶ月ほど治療が中断しましたが、3ヶ月目に入ると夜中目覚める回数もかなり少なくなりました。

まだ、かみつく動作が見られていましたが、それも4ヶ月頃には無くなってきて、「信じられない!」と、たいへんお母さんには、喜んで頂きました。

このように初めは夜泣きや疳の虫で来院された乳児であっても、風邪を引いたときや咳鼻水が出てなかなか治らないときなど、はりをすることで小児科にいかなくても済む場合も多く、予防的に続けている子供さんでは、小学校に上がる頃にはかなり丈夫になり、熱をしょっちゅう出していたのがうそのように元気になっています。


4例:男児 2歳

来院時の状態:
今まではあまり夜泣きでなかったが、最近ちょくちょく夜中に目覚めて泣く。卵アレルギーがある。便が硬く黒ずんでいる。右脛にしっしんがある。脈は浮いていて弱い。皮膚は滑らかで他に目立った症状はないとのことでした。
治療方針(証):
治療は、肝・脾相克という証を立て、足と手の穴に、ていしんで行い背中の経絡を円しんというはりでなで、左肝癒/右脾癒に銀の粒を貼って、右脛の湿疹に円しんでなでました。

2回目は同様の治療を行ない、3回目から適応即(先に、はりを行なう側のこと)を変えたところ夜泣きが収まりましたので、4回の治療で完治としました。

このように症状が軽いものであれば、3から4回の治療で治まってきますので、ご紹介いたしました。


用語説明:

証(あかし)
東洋鍼灸治療では、治療を進めるにあたり、証(あかし)を決定します。証とは、体のどのつぼに鍼やお灸をするのかを決定する、治療方針のことです。

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